幸福なポジティヴィスト

アイコンの作者忘れてしまいました。

倫理を学ぶこと、研究することとはどういうことか


1.倫理を学ぶということ

倫理が持つ特質は、「定義や理論化になじみにくい性質」であり、それゆえ倫理は、「倫理について考える人の数だけ倫理がある」といった非常に曖昧なものとして捉えられている。 

しかし確かなことは、倫理は「べからず集」や「ルールブック」ではない、ということだろう。

これは倫理に対して微妙な勘違いをしていると思う。
こうした点でも、倫理の本質はそうした「非定型性」にある。

不確かだけど、倫理を学ぼうとする営みは確かなものだ。

そうした点で、倫理とは、「あるべき〇〇に近づこうとする主体的な営み」そのもの、と仮定することができるかもしれない。

そうした倫理を学ぶ、または研究することとはどういうことか。

非定型的なもの、曖昧なものという特質をもつ倫理の正解は存在しないのでは?

まず必要なのは、「過去と現在で、われわれはどのような倫理的問題に直面し、その際どのように対処してきたのか」をできるだけ広く、深く、多面的に知ろうとすることである。

そして、知ったことをもとに、自分ならどのようにするのか、考えるのかをじっくり練り上げていく。
これが、倫理を学ぶということである。

それでは、研究するとはどういったことだろう。

現場で働く人の実践的な倫理観は好まれるが、研究となるとどうしても机上の空論感は否めないのでは?

倫理を研究することは以下のような営みとなる。

①過去の倫理事件・事例を収集・整理し、論点を抽出して、判断材料を提供し、アドバイスを提示すること。
②「倫理的」でありうるための環境・制度について考え・提言すること。

2.ジャーナリズムの倫理
2-1.西山記者事件について考える