幸福なポジティヴィスト

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川田文子,2014,「「慰安婦」問題——被害者の証言とどう向き合うか」

<書誌情報>
川田文子,2014,「「慰安婦」問題——被害者の証言とどう向き合うか」『世界』863: 143-153.

世界 2014年 12月号 [雑誌]

世界 2014年 12月号 [雑誌]


否定論を分析
河野談話見直しと朝日捏造論の共通項は、強制連行の証言は韓国の元慰安婦一六人、吉田証言以外にないと誤認、あるいは故意に他の数多くの証言を黙殺する点だ。しかし、ほかにも証言はある。加えて、資料がないことにこだわるが、そもそも国際法、国内の刑法に違反するような軍の犯罪を示す公文書を軍も政府も作成するはずはない。
否定論調のメディアは極右政治家と結びつき、メディアの役割を果たしていない。
曖昧な記憶もまた攻撃の対象とされてきたが、兵士も同様な人もいるし、未就学児の多い状況では当たり前である。元慰安婦女性に対する誹謗中傷。様々な証言は様々な証言によって裏付けられる。
慰安所制度の実態は多くのことが明らかにされてきた。反対派は、全体像を把握することなく、強制連行を裏付ける文書はない、すなわちその事実はないことを振りまくがそのものが捏造である。
国際社会に共感されたのは、名乗り出た多数の人たちの訴えが届いたからである。被害者の向き合う姿勢を持つべきである。