幸福なポジティヴィスト

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高橋哲哉,2015,「インタビュー 極右化する政治——戦後七〇年という岐路を前に」

高橋哲哉,2015,「インタビュー 極右化する政治——戦後七〇年という岐路を前に」『世界』864: 150-161.

世界 2015年 01月号 [雑誌]

世界 2015年 01月号 [雑誌]


朝日新聞の「誤報」問題を契機として、自民党に「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」が設けられ、「いわれなき非難に断固として反論」する(稲田氏)として「客観的事実に基づいて日本政府の立場を内外に発信する方策を検討する」作業が進められています。
高橋
朝日新聞が日本軍「慰安婦」問題にかかわって、故・吉田清治氏の証言をもとに報道した記事を取り消したことについて言えば、もともと研究者の間ではこの証言の信憑性に問題があるということは常識に属する事柄でした。問題は、これをきっかけとして、「慰安婦」問題が吉田証言を取り上げた朝日新聞の報道によって作り出されたかのような粗雑な言説がふりまかれていることです。
朝日新聞誤報を認めたことによって「慰安婦」問題そのものがなくなったかのような認識を、安倍首相はじめ政治家やメディアが示していることは、驚くべきことです。吉田証言が「慰安婦」問題の根幹であるとの認識は極めて特殊なもので、吉田証言は河野談話の根拠として採用されていませんし、まして吉見義明教授や林博史教授らの一連の重要な研究に何の影響も与えていません。