幸福なポジティヴィスト

アイコンの作者忘れてしまいました。

菊池 義邦「悪夢は林の如く」

<書誌>
菊池 義邦,1971,「悪夢は林の如く (我々はなぜ自らを告発するのか——中国関係元戦犯の手記)」『世界』311: 144-147.

展開線を圧縮し攻撃前進中の事です。殺伐たる戦場で娘を見つけたら逃す筈はなく、獲物を見つけた鷹のように兵隊達は女を目がけて飛びかかりました。(中略)前進途上至る処の農作物に火をつけ焼き払いました。その農作物の中から煙に巻かれた娘が飛び出してくるのです。十二月中旬、零下二十度の寒さです。忽ち下半身裸にされ、仰向けにひっくり返され、馬乗りになった兵隊が剣を抜いて威嚇すると、驚怖の叫びをあげて悶えるのです。おんなの生命ともいわれる場所に、高梁穀をつめこみ、人参を押しこみさつま芋を入れ、悶絶の状態にして、雪のちらつく畑にほうり出し、凍死から逃れることのできない姿にして前進を続けました。獣欲を満たす事のできない私達は凌辱をもってこれに充てました左分隊も右分隊も包囲の網をせばめる中で幾多の中国婦女をこうして陵辱死させました。(中略)私はこの作戦討伐で中国人婦女を集団で陵辱殺害した、分隊長の一人です。