幸福なポジティヴィスト

アイコンの作者忘れてしまいました。

用語学#9 actor-network theory(ANT)/アクターネットワーク理論(ANT)

用語学#9 actor-network theory(ANT)/アクターネットワーク理論(ANT)

 これは当初ネットワークを示すために使われていたフランスの用語(acteur-réseau)であった.この理論は関係性やネットワークを探索するためにラトゥール(B. Latour) とロウ(J. Law)によって発展させられてきた.ANTは科学研究から発展したが,社会科学の広い範囲の問題に応用されてきた.,実在(人と物体)が他の実在との関係の結果として特質を獲得する前提に基づいて社会関係に記号論を適用した.それは関係性の産物や効果として実在の物質的特性を探索するので,「関係性の物質」として記述されてきた.例えば,博物館は物体の意味が(ほかの物体や博物館との)一連の関係性に依存する特定の考古学的な観点から物体を異種混合のの集合を組織する方法である.ANTは,重要な際の概念を批判するために使われる記号論的装置である.それは,社会理論の二重性(行為者と構造,物質性と社会性)を彼らが一部分であるネットワークや関係性によって生み出されていないような内容をもたない実在の遂行によって,克服しようとするものである.そしてまた,このアプローチは例えば人間の身体と機械のあいだの区別―両方ともネットワークの影響である実在と見なされる―を克服しようとする.物質性の理論として,現象をそれらの運動性の観点で扱う.というのも実在は関係性の運動において,そしてそれによって生じるからである.
 ANTは,位相幾何学的システムとしてネット―ワークの概念を発展させてきたため,空間の社会学的理解への貢献もしている.

[参考]

The Penguin Dictionary of Sociology: Fifth Edition (Dictionary, Penguin)

The Penguin Dictionary of Sociology: Fifth Edition (Dictionary, Penguin)