幸福なポジティヴィスト

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2018-01-01から1年間の記事一覧

アンダーソン『想像の共同体』「Ⅴ 古い言語、新しいモデル」

<文献> Benedict, Anderson, [1983]2006, IMAGINED COMMUNITIES: Reflections on the Origin and Spread of Nationalism, London: VERSO. ( = 2007, 白石隆・白石さや訳『定本想像の共同体――ナショナリズムの起源と流行』書籍工房早山.) Ⅴ 古い言語、新し…

ロラン・バルト『明るい部屋』読書会③

ロラン・バルト『明るい部屋』読書会 <書誌> Roland, Barthes, 1980, La chambre claire: Note sur la photographie, Paris: Galimard. (=花輪光訳, 1999, 『明るい部屋――写真についての覚書』みすず書房.) 3.出発点としての感動 つまり、あらゆる還元…

N, Fairclough, Chapter 7 “Identity and Social Relations in Media Texts” MEDIA DISCOURSE

<文献> N・Fairclough, 1995, “Identity and Social Relations in Media Texts”, MEDIA DISCOURSE, Hodder Education. 1.本章の課題とその方法 〇本章の課題 ・テクストの中で常に同時に行われている2つのプロセスを扱う。 →①アイデンティティの構築、②…

倫理を学ぶこと、研究することとはどういうことか

1.倫理を学ぶということ倫理が持つ特質は、「定義や理論化になじみにくい性質」であり、それゆえ倫理は、「倫理について考える人の数だけ倫理がある」といった非常に曖昧なものとして捉えられている。 しかし確かなことは、倫理は「べからず集」や「ルール…

ロラン・バルト『明るい部屋』読書会②

ロラン・バルト『明るい部屋』読書会 <書誌> Roland, Barthes, 1980, La chambre claire: Note sur la photographie, Paris: Galimard. (=花輪光訳, 1999, 『明るい部屋――写真についての覚書』みすず書房.) 1.「写真」の特殊性 私は「写真」の《存在論…

ロラン・バルト『明るい部屋』読書会①

ロラン・バルト『明るい部屋』読書会 <書誌情報> Roland, Barthes, 1980, La chambre claire: Note sur la photographie, Paris: Galimard. (=花輪光訳, 1999, 『明るい部屋――写真についての覚書』みすず書房.) 1.はじめに――ロラン・バルトの基本情報 …

R・シルバーストーン『なぜメディア研究か』「11 コミュニティ」

11.コミュニティ<要約>本章における「コミュニティ」という概念は、ひとまずのところ、「経験」として置かれている。われわれは他者との関係の中で、自分がどこにいるのかという帰属の問題を絶えず確認しながら、そうしたアイデンティティを生きている…

R,Shilverstone, 1999, Why Study the Media?

本シリーズで取り上げるのは、ロジャー・シルバーストーンが1999年にだしたWhy Study the Media?である。 Why Study the Media? [ペーパーバック] Silverstone Sage Publications, Incorporated 1999-12-13 本書は邦訳もされており、邦題は『なぜメディア研…

B・Andersonの『想像の共同体』

本シリーズは、ベネディクト・アンダーソンの「想像の共同体」の議論を取り上げる。「想像の共同体」という概念は、公務員試験でも取り上げられ、すでに「教養」となりつつある。しかし、一般的に「想像の共同体」という言葉が非常にキャッチ―なフレーズであ…

N, Fairclough, Chapter 6 "Representations in documentary and News" MEDIA DISCOURSE

<文献> N・Fairclough, 1995, “ Chapter 6 Representation in Documentary and News”, MEDIA DISCOURSE, Hodder Education. 1.本章の課題と方法○本章の目的(p.103-4)・「Representation/表象」という概念が、メディアテクストのなかでどのように機能…

N, Fairclough, Chapter 2 "Approach to Media Discourse" MEDIA DISCOURSE

<ABSTRACT> 本章は,メディアディスコースに関する先行研究の説明および整理を目的とする.その際,メディアディスコースに関するすべての文献を扱うのではなく,フェアクラフ独自の分析枠組の発展に寄与したものを扱う.それらは以下の6点であり,それぞ…

N, Fairclough, Chapter1 "Media and language: setting an agenda" MEDIA DISCOURSE

<データ>Norman, Fairclough, 1995, Chapter1 "Media and language: setting an agenda" MEDIA DISCOURSE, 1-19→以前の本書紹介ページへ〇課題・1990年代初頭に起きたいくつかの事例が示すように、本書の中心的なテーマは、「マス・メディアの権力/the po…

中山元『フーコー入門』第2章 狂気の逆説

中山元の『フーコー入門』は第二章で『狂気の歴史』を取り扱っている。 『狂気の歴史』は『精神疾患と人格』(初版邦訳は中山元訳で『精神疾患とパーソナリティ』となっている)に続くフーコーの第二作目で、彼はこの作品で1961年に文学博士号を取得している。…

『狂気の歴史』 序言

序言 狂気の歴史の零度を、つまり狂気が未分化の経験であり、分割自体によってまだ分割されない経験である、あの零度を、歴史の中に発見しなおす必要がある。(p.7) そうした場合、そうした場合にのみ、狂気の人と理性の人が、分離しつつあるがまだ分離され…

メディア・スタディーズのアウトライン

1.メディアをめぐる知―学問的系譜〇マスコミュニケーション論1940年のH・キャントリル『火星からの侵入』1948年のラザースフェルド『ピープルズ・チョイス』→社会調査や統計処理をベースに、社会学や心理学の知見に基づいて、メディアの効果・影響を分析す…

『フーコーコレクション』全7巻 所収論稿一覧

ミシェル・フーコー,『フーコーコレクション』全7巻筑摩書房 フーコー・コレクション 全7冊セット (ちくま学芸文庫) 作者: ミシェル・フーコー 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2006/11/22 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る フーコー…